激辛NHK杯採点は今後のフィギュアスケートにどう影響するのか?R5.11.29

  • 2023年11月30日
  • こんにちは、興和流通商事の設計兼スケオタ野村です。

    先週末に行われたグランプリシリーズ日本大会である

    NHK杯にて超激辛な採点が繰り出されました!

    結局リセールの抽選も外れ大阪には行けなかったので

    自宅観戦とはなりましたが(観客ガラガラとか大嘘だから!)

    今回、かなりの厳しめ採点であったことは間違いないです!

  • まず女子シングルでは日本の樋口新葉選手、三原舞依選手ともども

    調子が上がらず(それにしても!)かなり低めの点数でびっくりしました。

    そこにきて急遽出場の機会を得た日本大学4年生の青木祐奈選手が頑張りました!

    回転不足を取られたとはいえ、青木選手の代名詞3Lz-3Lo(セカンドループですよ!!!)に

    果敢に挑み、樋口選手、三原選手を抑えて日本人最上位に入賞したのは

    ノービス・ジュニア時代から見守ってきた私としては

    感慨深いものがありました。

    皆さん、青木選手をぽっと出の選手と思っているかもしれませんが

    とんでもない!

    彼女はノービス・ジュニア時代、同年代ではトップの成績で

    シニアデビュー後は国際大会にもバリバリ派遣されて、と

    思っていたのですが、怪我に悩まされシニアでは

    そこまでの成績を残せませんでした。

    が!

    今回、初めてのグランプリシリーズ、初めての国際大会

    とても頑張りました。

  • そして今大会、優勝したのはアメリカのアバマリー・ジーグラー選手です。

    そこまで私も詳しく知らない選手だったのですが

    (今年のグランプリシリーズ派遣もこのNHK杯1試合のみ!)

    ジャンプを見たらなるほど、加点が付くのも納得でした。

    今大会は、非常に回転不足に対して厳しかったのですが

    ジーグラー選手は女子選手としては珍しく

    きちんと3回転を回り切って降りてきているんですね。

    なので回転不足を厳しく取り締まった今大会で

    技術点を延ばすことができたという訳です。

    エッジエラーに関してもかなり厳格だったと思います。

    ジーグラー選手に関していえば

    最初に跳んだ3回転ルッツに関しては

    明らかにインサイドで踏み切っていたので!(アテンション)踏切違反が

    取られたのは仕方ありませんが

    2本目に関してはきちんとアウトサイドだったと思います。

    なので2本目ではエッジエラーは取られていません。

    ジャッジがきちんと採点したという訳ですね。


  • 私が言いたいのは、回転不足やエッジエラーを厳格に取り締まるのは

    大賛成!

    だが、全ての選手を同じように公平に厳しく採点してください!

    という訳です。


    先ほど私が書いた内容、実はとても重要です。

    女子で3回転を回り切って降りてくるのは珍しい、

    そう書きました。

    え?そうなの?

    と思っている人が多いのではないでしょうか。

    そうなんです。

    実は女子の3回転ジャンプって結構グレーゾーンなんです。

    私、いままであえて回転不足に関しては言及してきていませんでした。

    これに言及するときりがないからです。

    伊藤みどりさん時代からこれほどの時を経ても

    未だにトリプルアクセルを跳べる女子選手が少ないのも

    (複数年にわたって跳び続けたシニア選手は伊藤みどりさん、浅田真央さん、

    ロシアのエリザベータ・トゥクタミシェワ選手のみですから。)


    すでに女子の回転数は3回転が限界とも言われています。

    安藤美姫さんが4回転サルコウを成功させて

    20年以上の時を経てようやく住吉りをん選手が4回転トゥーループを成功させたのも

    技術うんぬんの話だけではないんだと思います。

  • では、これほど厳格に3回転を取り締まわれては

    誰もトリプルアクセルや4回転ジャンプなんて跳ばなくなるだろう

    それは全くもってその通りだと思います。

    実際に高難度ジャンプは難易度のわりに点数が低くうまみが無いんです。

    (あくまで女子シングルの話)

    今大会で優勝したジーグラー選手は3回転-3回転のコンビネーションジャンプすら

    跳んでいません。

    表彰台には高難度4回転が必須となった男子シングルに比べて

    女子はこれではトリノオリンピック以前の構成になってしまいますね。

    これは3回転-3回転のコンボを跳ばなかったジーグラー選手を批判しているわけでも

    トリノオリンピックで3回転-3回転ジャンプを跳ばずに優勝した荒川静香さんを批判しているわけでもありません。

    現にジーグラー選手の3回転ジャンプは素晴らしいですし

    荒川静香さんのオリンピックでの演技も素晴らしかったです。

    もちろんここまで回転不足の厳しい採点が今後もずっと続くとは思いませんが

    どうか全員に公平にしてください!!!

    誰かは厳格に取り締まわてて、誰かは見逃される、

    それが一番嫌なんですよ。

    今までそれでどれほど悔しい思いをしてきたかしれません。

    現に今までそういうことが平気で横行してきたことが問題で

    今一つフィギュアスケートがメジャーになれない原因でもあるんです。

    急にNHK杯でだけ厳格に回転不足を取り締まるってのも

    すでに不公平であるとは思いますが

    厳しくするならすべての大会で厳しくしてください!

    そして全員が同じように厳しく採点されてください!

    さあ、いよいよグランプリファイナルですが

    どのような採点がなされるのでしょうか?

    楽しみですね。

    では。